覚えてテレビの前

『そうですか。また動きがあれば伝えてくださ卓悅Biodermaい。…さて、牧さん…。とんでもないことを考えていた様ですね…』
『ええ。我々は、サバイバルを終えカナンに連行されました。私は政治家として、日本で政治の流れを逐一報告するように言われました。東雨宮とは別の陣営の情報を渡す事で…私の家族の命をつなぎ止めていたのです。私は、苦しかった…!少しでも日本を良くしたい。住み良い国にしたいと思って政治家になったのに…!未だ途中の被災地の復興支援、貧困に喘ぐ国への支援、子育て世卓悅冒牌貨
代に優しい町づくりの提案、やるべき事が山積みだった!それなのに、妄想に取り付かれた者の言いなりになるしかなかった!皆さん、本当に申し訳ない!!家族を見捨ててでももっと早く奴らの正体をこうして晒し、事実を伝える事が政治家としての私の使命でした。それなのに、どうしても我が子を、妻を盾に取られて投げやりになってしまった…!!私は自分が情けない!!この騒動が一件落着したら、私は政治家を辞める所存です。ですので、もう少々、この愚かな男の言葉に耳を傾けてください!』
牧は土下座をしながら泣いている。
さすが、あの蓮が『アンタにしか出来ない』と言っただけの事はある。
牧さん、演技派だねぇ~。…自己陶酔型というか…なんというか…ぷぷぷ」
レイが笑いを噛み殺しながらPCの画面を斜め読みする。
これって、演技?心底本気に見えるけど?」
呆れた表情でレイチェルが言い、レイは声を上げて笑った。
おっと、来てる来てる!『牧海人は悪くない!』『このおっさんすげーな藁』『号泣政治家www』『辞めないで!こんな正直な政治家見た事ない、神すぎる!』『総理大臣になって!』『政治家だって人間だ。当然だよ!』『消費税下げろよ!』だって。消費税ってどさくさにまぎれて何だコイツ。ウケルんだけど~」
カエルム計画の計画書のPDFファイルをアップしたレイの特設サイトの掲示板に、凄い数の書き込みがあり、炎上寸前だった。その事も考慮して、数千万するサーバーを設置した甲斐があったというものだ。
で、映像の続きはもうないの?」
ああ、さすがに理事官とチームカナンも突入したから撮らないでくれってさ。それにしても遅いなぁ。電話してみよっか~」
少し待てば出てくでしょう」
レイチェルがつまらなそ卓悅冒牌貨うに言い、レイは引き続きサイトのチェックにあたっていた。
その頃、葉月とザンはテレビ画面に釘付けになっていた。
どうなったんだろう…。大丈夫かな?」
あとは取り押さえて連行するだけだ。」
ザンが言いながら、テレビの前からPCの前に移動して今度はサイトの方を見ている。
葉月は何故か良い知れぬ不安を覚えてテレビの前に座り込んでいた。
再びカナンや東雨宮の説明を続けていたスタジオだったが、突然雨宮邸前の映像に切り替わった。
『こちら雨宮邸前です!たった今、爆発音が聞こえました!見てください!!』
記者が言うと、カメラが母屋の一部にズームして、そこから細い黒煙が上がっている。
そして、またドォンッ!と地に響くような爆発音がした。
『あ、今、また爆発音がしました!…またも母屋のようですが…』
『中で交渉にあたっていた警察や、被害者男性達の安否は確認できますか?雨宮源一郎氏による犯行でしょうか?!』
『まだ詳細は分かりかねますが…』
そのとき現場の映像が途切れた。
(…何が起きているの…?)
敦や栄太たちの安否が気になった。
それにしても何故、爆発なんてしたのだろう。
(どうしよう…)


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